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中国共産党とダルフール虐殺(スーダン)

200707の記事スクラップ
http://www.news.janjan.jp/world/0707/0707058445/1.php

ダルフール紛争を知らない日本人 2007/07/07

【ダルフール紛争って、何?】

 今、日本人に「ダルフール紛争って知ってる?」と質問すると、ほとんどの人が「知らない」と答える。

 この事実を知らないということは、今や日本人が、鎖国の江戸時代同様、マス・メディアの高度に発達した21世紀のインターネット社会に生きながらも世界の孤児になってしまているということを物語るエピソードだ。

 いったい、ダルフール紛争とは何であるか?

 それはアフリカ北部のスーダンという国家において、2003年2月に内紛が起こり、以来、20万とも言われる人々が殺害され、強姦され、250万人が家屋を失い、今だ解決の目途すら立っていない大事件のことを指すのである。

 今、ヨーロッパ諸国でも、アメリカでも、このダルフール問題への感心は非常に高い。フランスでは、先の四月の大統領選挙のテレビ討論において、社会党「ロワイヤル候補は、ダルフール紛争における中華人民共和国側の対応を非難しオリンピックのボイコットを呼びかけた。」(ウィキペディア)

 またアメリカでも、このダルフール問題に関する関心度は、民間でも、政治の場でも、急速に高まりつつあり、女優のミア・ファローさんらが市民や文化人たちが現代のホロコースト(大虐殺)を止めさせるべきだとして立ち上がり、このスーダンに政治的影響力の強い中国政府への虐殺を容認しているに等しい優柔不断な態度を糾弾し、「北京オリンピックのボイコット」までをスローガンにした大きな運動に発展しつつある。

 また連邦議会においても、「共和、民主両党の議員たちがいっせいに、ダルフール虐殺を事実上、あおるスーダン政府と、そのスーダン政府に軍事、経済、政治の各面で強力な支援を与える中国政府を糾弾し始めた(産経新聞 古森義久氏のブログ「ステージ風発」より)」。

 ブッシュ大統領も、この動きに触発されたのか、5月29日、スーダン政府のやり方を「大虐殺」と明確に非難し、これを速やかに止めさせるために、スーダンへの武器輸出の禁止や企業に対する金融制裁などの緊急措置を発表した。

 さらに、米国下院は、6月5日、「スーダン政府の支援を受けた民兵組織によるダルフールでの大量虐殺を黙認していることは、北京オリンピックの精神に反する」とする決議案を、賛成410票、反対0の全会一致で可決した。そこでの決議は、中国政府に「ダルフールでの大量虐殺を止めさせるように影響力を行使することを求める」と結んでいる。

 スーダンにとって、中国は、最大の貿易相手国で、石油輸出料の4分の3は対中国向けとされる。考えてみれば、世界中で遅れてきた大国中国の資源獲得に向けてのすさまじいまでの外交が展開されているが、このような国民の人権や生命をまったく無視した形でスーダン政府が、ホロコーストを繰り広げている様を横目で見ながら、片方では石油を買い、片方では大量の武器を売りさばく様は、かつての西洋列強がアジアにしてきた植民地支配を見るような思いがする。

 それに対して日本政府の対応は、ほとんど静観の構えか他人事しか思えないお寒い姿勢を崩さない。これは、どうみても国連安保理の常任理事国に立候補する世界のリーダーになろうとする心構えではない。

 ちなみにネットの「国会議事録検索システム」での「ダルフール」情報を検索すると、ヒットするのは18件で、参議院が16件、衆議院は2件。衆議院で、「ダルフール問題」が議題に上ったのは、2004年8月と2005年2月の二回きりで、以後本会議でも各小委員会でも議論の対象になっていない。

【岡本行夫氏のダルフール認識】

 この中で、重要と思われる議論をピックアップすれば、今年の2月13日の参議院での「政府開発援助等に関する特別委員会」で外務省出身の外交評論家・岡本行夫氏(1945-)の発言である。

 この中では、ダルフール問題の核心にふれる注目すべき発言があった。岡本参考人は、ダルフール問題の背後に、中国も含めた国際間の資源獲得競争があることを指摘した。内容を箇条書きにしてみる。

(1)中国は国家を挙げて外交的な影響力の増大を明確な戦略の下に行っている。

(2)先頃、「中国・アフリカ協力フォーラム」が北京で開催された。これは中国一国に対しアフリカから48か国が参加したもの。同様に「中国・アラブ対話フォーラム」は、中国一国に、アラブ諸国が22か国参加したもの。

(3)胡錦濤の演説から類推すれば、中国はアフリカ開発基金を50億ドル(6千億円)規模で設立をしている。さらにバイヤーズクレジットを20億ドル。アフリカに対する優遇的な借款を30億ドル。などケタ違いの資金をアフリカに注入している。かつこれからアフリカの専門家を1万5千人養成する構想も打ち出している。

(4)この一連の動きは資源を確保するというその強い中国政府の国家戦略がある。

(5)但し、中国の強引な手法は、国際援助規律から反しており、国際的に批判されている。

(6)スーダンのダルフールでは何十万人という人々の大量虐殺が報告されいる。しかしダルフールを国連の安保理に付託するという意見に対し、中国が拒否権を発動する構えを見せて反対している。

(7)中国が静かな国際環境を必要として専ら国内経済建設だけに専念していたときは、中国が国連の安保理拒否権を持っていても問題は生じなかった。

(8)現在のように中国がむき出しで国益を主張し資源獲得のためであれば国際的な規範を逸脱した国に対してでも自分たちの拒否権を利用して擁護する行為によって、国連制度が限界に近づきつつある。

 (166回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
平成十九年二月十三日(火曜日)の岡本氏の参考人発言を佐藤が編集)

 以上、岡本発言によれば、一向に進まないダルフール問題の背景には、中国の資源外交エゴがあるようだ。

【安倍首相のダルフール認識】

 これに対して、安倍首相は、どのような認識を持っているのか。6月13日の参議院「政府開発援助等に関する特別委員会」で、首相は、次のようにな発言をしている。

 「私も先般、4月来日をされました温家宝総理に対しまして、中国のスーダンを含めたアフリカへの支援の在り方について、透明性、そしてまた国際社会の規範に沿った形で支援を行っていくように要請をしたところでございます。今般のG8サミットの場におきましても、やはりアフリカの支援をしていく上において、ガバナンスの重要性を十分認識をしながら支援をしていくべきではないかという議論があったわけでございます。

 今後とも、中国に対しましては、海外援助の在り方、特にスーダンに対してはそうなんですが、その透明性、そしてまた国際規範に沿った支援を行うように求めてまいりたいと考えております。(中略)スーダンにおける虐殺、そしてその関連において、中国が来年オリンピックを開催するにもかかわらず、スーダンへの支援を行っているという議論があるのは十分承知をいたしております。しかし、日本の立場は、スポーツはあくまでもスポーツであり、政治とは分けて考えるべきだろうと、このように思っているところでございます。」(国会議事録より)

 これは事実上、中国のスーダン政策に理解を示していると受けとられかねない非常に中国に対して甘い発言だ。おそらく安倍首相の中には、小泉政権の中で冷え切った対中国、韓国外交を、この問題ひとつで水泡に帰してはいけない、というような配慮が抑制として働いたのだとは思うが、およそ世界の中のリーダーとしての資質を疑いたくなるトンチンカンな発言にかわりはない。

 「スポーツと政治は分けて考えるべき」という安倍発言は、中国との関係悪化を配慮したものでしかなく、国際的政治感覚を欠いた発言でしかなかった。そもそも近代オリンピックは、世界平和を祈念して構想されたものであるが、現実には、常に政争の道具かプロパガンダの役割を果たしてきた。

 1936年、ナチスドイツが「ベルリンオリンピック」を民族の祭典として大々的に喧伝し、国威発揚のプロパガンダとして利用したことは歴史的事実である。アフガン侵攻でモスクワオリンピックは、西側諸国がボイコットをしたことは記憶に新しい。また現代において、オリンピックは、世界中から巨額の資金が流入することで、国おこし的効果が期待されるビッグイベントになっていて、北京オリンピックでも。中国経済に与えるプラスの経済効果は、1964年の東京オリンピック以上のものが見込まれていることは周知の事実である。

 しかしながら、中国政府が、今後真の意味で、世界のリーダーたらんとするのであれば、スーダン政府のような自己の国民を虐殺するような政府を容認するようなことであってはならない。少なくても安保理常任理事国であるというならば、人類普遍の倫理観を持つべきだ。たとえどのような理由があろうとも、自国の国民を、圧倒的な軍事力を持つ政府軍を使って虐殺させるような行為を許してはならないのだ。

【オノ・ヨーコの「セーブ・ダルフール」活動】

 日本ではほとんど報道されていないが、ヨーロッパ、アメリカでは、政府、市民も含めて、ダルフールのホロコーストを糾弾する大きな動きが急速に起こりはじめている。

 グーグルは、グーグルアースを使って、ダルフールのホロコースト現場の位置や写真やビデオなどが一覧出来るサイトを以下のところで立ち上げている。
 http://www.ushmm.org/googleearth/

 先頃、ニューヨークに在住するオノ・ヨーコさんは、ジョン・レノンの曲のカバーを集めた2枚組みのアルバム「インスタント・カルマ/セーブ・ダルフール」(ダルフールを救え)を発表した。その収益は、すべて国際的な人権団体(NGO)アムネスティ・インターナショナルに寄付されることになっている。参加アーティストは、「U2」「ジャクソン・ブラウン」「REM」などの大物から若い人まで雑多である。

 ヨーコは、「この政治的危機や情緒危機の時代に、人々がジョン・レノンの音楽を求めるものは自然なことだとう」として、ジョンの音楽に込められた平和への「祈り」が「ダルフール」に一日も早くホロコーストの危機的状況を脱し、平和が訪れることを願っているのである。実は私も、このアルバムのお陰で、ダルフール問題の深刻さを知ったのである。


【ダルフール紛争って知っている?と問いかけてみよう!!】

 今後、この記事を読んだ人は、身近な人に「ダルフール紛争って知っている?」と問いかけ、もしも知らなければ、説明し、一日も早く、日本のマスコミが、正確な情報を伝え、日本政府が世界のリーダーとして恥ずかしくない積極的な発言をするように働きかけてほしい。
(佐藤弘弥)

コメントより
*中国がスーダンの石油資源を獲得するため、間接的にダルフールの虐殺に関与しているとの記事、素晴らしいものでした。
しかし中国が資源獲得のために虐殺に関与しているのは今回が初めてではありません。
1975年~1979年のカンボジアにおけるポル・ポト政権による大虐殺を事実上側面から支援したのは中国でした。ベトナム戦争中にポル・ポトとシハヌークを援助した中国の目的の一つに、世界有数のコメ輸出国であったカンボジアの確保がありました。米国の傀儡政権であったロン・ノル政権を打倒したポル・ポトは、中国にコメを輸出するため、無茶なコメ増産を強行しました。水路工事やダム建設、新田開発を行い、数百万の人々を強制労働に駆り立てました。結果はコメ増産どころか、恐ろしい飢餓でした。多くの人々が餓死しました。この事実上の虐殺を、中国は黙認しました。皮肉なことに、これを終わらせたのは、中国と対立し、旧ソビエトと同盟関係にあったベトナムの軍事侵攻でした。そして、ベトナムに追われタイに逃れたポル・ポトを支援したのは、中国と日本、米国でした。「ベトナムとその背後にいるソ連と対立しているポル・ポトは我々の陣営だ」という理屈からです
今のダルフール紛争と構図がかなり似ています。
中国は厳しく批判しなければなりません。と同時に、この問題に及び腰の日米政府も同じように批判する必要があります。中国がスーダンの石油を山分けしてくれるのを期待しているかのような態度を取っています。また、スーダン政府は日本の国連常任理事国入りを支持しています。
国家と国家は甘い汁を吸うためによろしくやります。民衆レベルでの批判を盛り上げなければなりません。

*大国・中国に対する国際社会での評価を的確に紹介した記事だと思います。
現在進行で行われている人権侵害を、自らの利益のために躊躇なく後押しする中国と、それを苦々しく思いながらもその市場の大きさに経済的な思惑から直言できない先進国。国際場裏ではオフレコで結構言ってるんですけどね。ヨーロッパの左翼政党も含めて。
ところがすぐご近所の日本では、そのような中国に対する国際的に標準的な評価すら、マスコミは報道することをためらい、それどころか間接的に中国国外での人権侵害を後押ししている状況だと思います。

*アラブ系スーダン人が権力を握るスーダン政府が、バントゥー系スーダン人に対して民族浄化を行っていることです。
 実はカンボジアでも同じ事が行われました。権力を掌握したポル・ポト政権は、極端なクメール民族至上主義政策を行いました。この国に根付いていた中国系やベトナム系住民を、「クメール民族を搾取する薄汚い外国人ども」と呼んで容赦なく殺戮しました。イスラーム教を信仰する少数民族チャム人を、「神聖なるカンプチア(カンボジア)を穢す汚物」と呼んで抹殺の対象としました。同国の多数民族であるクメール人から差別されていたため、ポル・ポトを支持していた山岳少数民族までもが、政権末期には皆殺しの標的になりました。
 そして同胞である中国系住民が虐殺されていることを知りながら、当時の中国政府はそれを黙認しました。
 ポル・ポトの強烈なクメール民族至上主義には、ベトナム戦争期に漢民族至上主義を掲げてチベット人やウィグル人、朝鮮人を迫害した中国の文化大革命の影響があると指摘されています。
 ともあれ、旧ユーゴスラビアやルワンダで死体の山を築いた民族浄化がダルフールで行われています。一刻も早く止めなければなりません。スーダンに多額の援助を送っている日本が声を上げることが大切だと思います。 

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