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あなたの知らない児童ポルノの真実(記事スクラップ)

p://homepage3.nifty.com/hirorin/loli00.htm

1.そもそも児童ポルノって何?

(架空インタビュー)

ソフィの衝撃

「まずはこの写真から見ていただきましょうか。カメラ毎日別冊『石川洋司写真集 妖精ソフィ』(毎日新聞社・1981)の裏表紙です」

――かわいい女の子ですね。誰ですか?

「ソフィ・デスピヌー。ベルギー人です。1968年生まれで、この本が出た年には13歳ですね」

――何で裏表紙なんですか?

「そりゃあ、表紙では裸だからです(笑)。いや、最初はモザイクかけようかと思ったんだけど、やめました。ソフィにモザイクかけるのはそれこそ犯罪だ!と」

――んなアホな!

「アホじゃないですよ。モザイクかける方が変なんです。たとえば、ミケランジェロのダビデ像の股間にモザイクかけたらどうなりますか? その方がよっぽどいやらしいでしょう?」

――まあ、確かに……でも、ダビデ像は芸術でしょう?

「ソフィだって芸術ですよ! 中を見れば分かるけど、いわゆるポルノ的表現――大股を開いたり男を誘惑したりするような構図はありません。芸術写真として撮られてるんです。
 ちなみにこの本は〈カメラ毎日創刊27周年記念〉でして、解説は有名な小説家の森茉莉さんが書いています。当時はポルノなんかではなく、芸術として認知されていたんですね」


「この『妖精ソフィ』が、僕が初めて買った美少女ヌード写真集です。いやあ、初めて見た時は衝撃でしたね。それまでヌード写真集なんてぜんぜん買ったことなかったんですよ。やっぱり“いやらしい”というイメージがあって、なんとなく避けてたんですね。でも『ソフィ』はぜんぜん違った。裸なのにぜんぜんいやらしくない」

――どこで買ったんですか?

「普通の書店ですよ。平台に積んでありました」

――ええーっ!?

「若い人は驚くかもしれませんね。でも、80年代はそれが当たり前だったんですよ。
 詳しくはWikipediaの解説を読んでいただきたいんですが、日本では少女ヌード写真集は1960年代末から登場し、70年代にはすでにたくさん出ていたんです。81年になってようやく目覚めた僕は、むしろブームに乗り遅れてたぐらいですね。
 これらの写真集は別に裏本じゃなく、堂々と売られてたんです。むしろ普通の成人女性のヌード写真集に比べて、清純で健康的というイメージがありましたね。当時はヘアヌードが猥褻か否かという議論がされていた頃で、ヘアの生えてない女の子は、全裸でも猥褻ではないとみなされていました」

――はー、今とずいぶん考え方が違いますね。


それは本来「芸術」だった

「『妖精ソフィ』に衝撃を受けて、それ以前に出ていた他のカメラマンの写真集にも目を向けるようになりました。これも有名な沢渡朔さんの『少女アリス』(河出書房新社・1973年)です。サマンサという8歳の少女を不思議の国のアリスに見立てたもので、中には何枚かヌードの写真もあります」

――カバーにしわが寄ってますよ。

「ごめんなさい、保存状態が悪くて」

――でも、何で『アリス』なのにヌードなんですか?

「ええっ!? 『アリス』の原作者のルイス・キャロルへのオマージュに決まってるじゃないですか。キャロルが少女のヌード写真をいっぱい撮ってたって知らないんですか?」

――まさか!?

「ほんとです。有名な話ですよ。もっともヌード写真の大半はキャロル自身によって破棄されたんで、現存しているものは少ないんですけどね」

――そ、それって犯罪行為なのでは?

「とんでもない。キャロルのモデルの多くは良家のお嬢さんたちです。保護者の同席のもとに撮影されていたそうです。ビクトリア朝のイギリスでは、女の子の裸の写真を撮るのは、ごく普通のことだったんです」

――やっぱり今と考え方が違いますね。

「ちなみにこの『少女アリス』には、キャロルのエッセイ・手紙・短編小説も載っています。序文は詩人の瀧口修造さん。谷川俊太郎さんの詩も載ってます」

「これは『ソフィ』の翌年に買った本。やっぱり石川洋司さんの写真集『まだ、少女。』(タツミムック・1982年)です。8人の女の子のヌードが載ってます。これも裏表紙です。いやあ、これも良かったですねえ。特にバージニーという子とナターシャという子がお気に入りでした。
 ちなみに、この本、1995年に復刻版が出てるんですけど、そっちも買っちゃいました」

――何で同じ本を2冊買うんですか!?

「だって、収録されてる写真が微妙に違うんですよ!(笑)」

悪貨が良貨を駆逐する

「他にも、80年代には美少女ヌード写真集がいっぱい出てましたねえ。僕も清岡純子さんの『プチトマト』シリーズとか何冊か買いました。他にも、ジャン・ルイ・ミシェルとか、ジャック・ブールブーロンとかも。でもやっぱり、石川洋司さんのがいちばん好きでしたね」

――それにしても、80年代はかなりのブームだったんですね。

「そうですね。ただ、ブームになってくると、悪貨が良貨を駆逐する現象が起きてきます」

――と言うと?

「石川洋司さんにしても、沢渡朔さんにしても、ちゃんとした写真家で、モデルの女の子や保護者の了承を得て撮影しているわけです。また、あくまで清純さを強調していて、あからさまに淫らなポーズなんか取らせることはなかった。
 でも、ブームに便乗して儲けようと、粗悪な写真集が多くなってきます。雰囲気が淫靡だったり、モデルが日本人名なのに顔が明らかに東南アジア系だったり」

――それって、怪しいですね。

「ええ。東南アジアのどこかの国に行って、安いお金でモデルを調達していたんだと思います。そうなると、どういう経緯で撮影されたのか疑問です。もしかしたら何らかの児童虐待が行なわれていたのかもしれない。
 さらに本物の児童ポルノ――子供に性行為を強要しているような写真やビデオが、海外から入ってくるようになりました。もちろんそうしたものは裏モノです。普通の書店なんかでは売っていません」

――そういうものの実物を見たことは?

「一度だけあります。知り合いが『こんなのどう?』と見せてくれたんですが、さすがに気分が悪くなりました。明らかに子供を虐待して撮影している写真だったんです。そんなものを買うのは、犯罪に手を貸すってことじゃないですか。だから僕は、そうした裏モノには近づくまいと誓いました」


宮崎事件以後

――お話を聞いていると、70~80年代にかけての日本人は、美少女ヌードというものに対して、おおらかだったんだなあと感じますが……。

「実際、そうだったんですよ。前にも言ったように、普通のヌードよりも健全というイメージがありましたからね。
 それが劇的に変わったきっかけは、1989年に逮捕された、連続幼女殺害犯・宮崎勤の事件です。彼がいわゆるオタクのロリコンであることが報じられたことで、オタク=気持ち悪い、ロリコン=性犯罪者予備軍というイメージが世間に浸透してきたんです。
 当時、TBSのワイドショーで、コミックマーケットの取材にやってきた女性レポーターが『ここに10万人の宮崎勤がいます!』と叫んだという有名な話もあります」

――ほんとですか?

「ネットで調べたら、都市伝説じゃないかと疑っている人もいますが、『実際に見た』という人もいます。真相は不明ですね」
――その事件を機に美少女ヌードは衰退した?

「いや、確かに宮崎事件の直後は自粛する風潮がありましたけど、それでも90年代には何冊も出てましたよ。これはやはり石川洋司さんの写真集『少女S。』(タツミムック・1995年)です。過去に撮影された、ソフィをはじめとする女の子7人の写真を集めたものです。これも裏表紙です」
「これは『マリアン11歳の軌跡』(メディアックス・1995年)。女性カメラマンの彩文洋実さんが、自分の娘さんを撮った写真集です」

――こっちは表紙ですね。

「これなら載せても支障ないでしょう。中はヌードが多いですけど、やはり母親の視点のせいか、いやらしさは感じさせませんね。
 さて、こういうのをはたして『児童ポルノ』と呼んでいいんでしょうか?」

――でも、裸ですし……。

「だったら、子供が風呂に入っているところを親が写真に撮ったら、児童ポルノですか? 実際、アメリカでは、我が子の入浴中の写真を持っていた男が逮捕されるという、笑えない事件があったそうですけど、日本もそうなった方がいいですか?
 あるいは、アマゾンの奥地なんかにはまだ全裸で暮らしている人たちがいますけど、そういう人たちを撮影したらポルノになるんですか?」
「繰り返しますが、これらはすべて普通の書店で買ったものです。裏モノはありません」

――じゃあ、本物の児童ポルノと呼べるものは所有していないと?

「2001年に日本コロムビアから発売された『思春の森』のDVDぐらいですかね。非常にきれいな映画なんですが、ソフトコアだけどSEXシーンもある、明らかにポルノですね。ただし、これも裏モノじゃなく、普通のDVD店で買ったものです。18禁じゃなく、普通の劇映画の棚に並んでましたね。

――そんなの持ってていいんですか?

「現在は単純所持――販売や頒布を目的としない所持は合法ですから。僕はこのDVDを誰かに売る気も譲る気もありませんしね。もっとも、将来、単純所持まで違法ということになったら、これも処分しなきゃいけないんでしょうね……」

――このDVDって確か回収されたんでしたっけ?

「ええ。警察が摘発したという話は耳にしませんから、自主回収だったんでしょうね。
 ちなみに、僕が『思春の森』回収騒動の時に『大変お怒りでらっしゃった』と書いている人がいたけど、嘘ですから(笑)。べつに怒ってなんかいませんよ。そりゃ当然だと受け止めましたよ。僕が怒ったのは『ヘア無修正版』とパッケージに表記してるくせにボカシが入ってたことに対してですよ(笑)」

――わははは、天下の日本コロムビアがそんなインチキ商売を!

「ひどいですね、まったく」

――この後、2004年に、『思春の森』のDVDを売っていた男が逮捕されるという事件がありましたね。

「あれもよく分かんないんですよねえ。逮捕するんだったら、2001年の時点で日本コロムビアの責任者を逮捕してなきゃ変でしょう? それとも海外から輸入したノーカット版だったんですかね?」

「ただ、DVDはそれ一本だけだし、書籍に関しては、児童ポルノ法施行以前に一般書店で普通に買った写真集ばかりで、裏モノはひとつも持っていません。ですから将来、『作家・山本弘の自宅を児童ポルノ法違反の容疑で家宅捜索し、児童ポルノ数点を押収した』という報道があったら、押収されたのはそういうものだと思ってください(笑)」

ロリコンは常に欲情するわけではない

――こういうものを眺めて性欲が刺激されていたわけですか?

「いや、それが微妙でね。正直言って、僕、こういう写真に載っている女の子たち――ソフィやサマンサやバージニーでオナニーしたことって一度もないんです。妄想の中でもエッチしたいと思わない」

――どうしてまた?

「だって、エッチしたら処女じゃなくなっちゃうじゃないですか!」

――そ、そういう考え方ですか?

「そうですよ。僕にとって、こういう写真の中の美少女たちというのは、あくまで清らかなところがいいんです。妄想の中でさえ、穢したくない。まあ、実際にはどんどん歳とっていって、今ごろは中年のおばさんになってるでしょうけど、せめてイメージの中ではずっと清純な女の子のままでいてほしいんです」

――でも、山本さん、小説の中で美少女にエッチなことさせてるじゃないですか。

「それは作品やキャラクターによって違いますよ。マンガのキャラクターを見れば分かるでしょ? エロマンガのヒロインだったらばんばん脱ぎまくってSEXしまくるけど、一方で、そんなことしちゃいけないヒロインも大勢いるわけですよ。
 僕の場合、チャリスなんかは最初から性的妄想の対象として生まれたキャラクターだから、かなりひどいこともさせられます。デルも一線を越えることに何のためらいもない。フェブラリーなんかは、きわどいとこまでは行っても、一線は守り抜く。新しくはじまる『地球最強姉妹C&Y』の知絵と夕姫は、絶対にエッチなことはさせない――そういう風にきちんと使い分けてます」

――で、美少女ヌード写真集の中の女の子は……。

「絶対に妄想はしません」

――そう言えば、山本さんは小学生の娘さんがおられると聞きましたが……?

「ああ、いつもいっしょにお風呂に入ってますよ」

――ええーっ!?(笑) それで欲情しないんですか?

「しないしない。だって、こちとら娘が赤ん坊の頃からおしめ替えてやってて、割れ目なんか見慣れてますよ(笑)。今さら娘の裸でどきどきするわけないじゃないですか」

――はあー、ロリコンの人って、少女に見境なしに欲情するのかと思ってました。

「そういう誤解をする人が多いですね。でも、よく考えてみてください。ノーマルな男性はすべての女性に対して欲情しますか? 男性の同性愛者はすべての男性に対して欲情しますか?」

――……しませんね、言われてみれば。

「でしょ? 少女なら誰でもいいってわけじゃないんですよ。
 ひと口にロリコンと言っても、趣味や性格は様々ですよ。僕は11~13歳ぐらいの、それも外人の女の子が好みですが、もっと下の幼女がいいとか、15歳ぐらいがいいという人もいます。2次元の女の子オンリーで、3次元には興味がないという人もいます。コミケでエロ同人誌を買い漁っている人もいれば、僕みたいに、コミケに参加しても『男性向け創作』のブースには行かないという人間もいます」

――エロ同人誌に興味がないというのはどうして?

「さっきも言ったように、本来エロをやるような子じゃないキャラクターにエロをやらせるのは、いくらパロディでも、抵抗があるからです。まあ、これは僕の好みの問題なんで、エロパロを描いてる人を否定はしませんけど」

――でも、山本さんはやらなくても、こういう美少女ヌード写真集でオナニーをする男もいるのでは?

「そりゃいるでしょう。そんなこと言ったら、アイドルの着衣の写真でオナニーする男だっていっぱいいますよ。子供向けアニメのキャラクターでエロ同人誌作る奴だっています。もしかしたら、ゴヤの『裸のマハ』とかボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』とかでオナニーする奴だって、いないとは限らない。書店の美術関係書の棚には、裸婦デッサン用の写真集もよく置かれてますが、ああいうのもズリネタとして使われるのではないかと思います」

――でも、それはポルノとして発表されたものじゃないじゃないですか。別の目的で出版されたものが使われているだけで……。

「そうです。美少女ヌード写真集だって同じです。それは本来、ポルノとして発表されたものではないんです。
 ポルノかどうかは、受け手が判断するんじゃない。送り手側に受け手の性欲を刺激する意思があるかどうかで決まるんです。裸の写真であっても、送り手側に『ポルノを作ってやろう』という意図がなければ、犯罪ではないはずなんです。
 だって、受け手が勝手に欲情することまで、送り手は責任持てませんからね。受け手が欲情したからといって『ポルノ』だとみなされたら、たまったもんじゃない。今のアニメなんかみんなポルノということになっちゃいますよ(笑)」

実は今でも合法?

――でも、1999年に児童ポルノ法が施行されたことで、こういったヌード写真集はみんな非合法になって、見ることはできなくなったわけですね。

「いや、それがそうじゃないかもしれないんです」

――は?

「僕も長いこと、『美少女ヌード写真集は児童ポルノ法にひっかかるから販売できない』と思いこんでいたんですが、どうもそうじゃないらしいんです。冒頭で、『妖精ソフィ』の表紙は裸だから見せられないと書きましたが、もしかしたらそれは間違いで、見せても問題ないかもしれないんです」

――どういうことでしょう?

「まあ、これを見てください」



――ええーっ!? ちょっと、これはアウトでしょ? 乳首が見えちゃってるじゃないですか。

「中もこの子のヌード写真がいっぱいですよ」

――そりゃ完全にアウトでしょ?

「いや、それがアウトじゃないんです。少なくとも、出版社も警察もそう判断しています。だって、このイリナ・イオネスコの『エヴァ』(エディシオン・トレヴィル)という写真集が日本で出たの、2004年なんですから」

――ええっ!? 児童ポルノ法の施行後?
 

「そうです。僕も『こんな本、出していいのか!?』って思いましたもん。にもかかわらず、この本が児童ポルノ法違反で警察に摘発されたという話は聞きません。今でもこの本は入手可能で、AMAZONでも取り扱ってますよ。表紙写真も載せて」

――うわあ、ほんとだ……。

「ちなみに、これらの写真が撮影されたのは1970年代。このモデルの女の子は、女性写真家イリナ・イオネスコの娘、エヴァ・イオネスコです。さっき述べた『思春の森』という映画に主演しています」
 
 
「それと、さっき紹介した沢渡さんの『少女アリス』も、『海から来た少女』と合本で、2006年に河出書房新社から『完全版アリス』として復刻されてるんですよね。いやあ、勇気ありますね、河出書房新社」

――これ、買えるんですか?

「念のためにAMAZONで注文してみたら、ちゃんと買えましたよ。中に載ってる写真は、1973年に出た『少女アリス』とまったく同じでした。もしこの本が児童ポルノだと言うなら、AMAZONも有罪ってことになりますね。
 あと、石川洋司さんの写真集も新刊書店から消えたというだけで、古書店では扱っているみたいですね。試しにAMAZONで検索したら、『ソフィ』を通販している古書店が何軒もありましたよ」

――信じられない……いったいどうなってんですか? 

「警察がこれらの本を摘発しない理由は、児童ポルノに該当しないからではないかと思います。そもそも、児童ポルノ法第二条3項では、児童ポルノを次のように定義しているんです」

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
3  この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

「お分かりですか? 先に挙げた『妖精ソフィ』『少女アリス』『エヴァ』などはいずれも、性交または性交類似行為をやっていませんし、性器を触ってもいません。つまり、一と二には該当しないことは明白です」

――問題は三ですよね。『衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態』、つまりヌードやセミヌードはアウトってことじゃないんですか?

「いや、そう誤解している人が多いんですけど、よく読んでください。『衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの』とあるでしょ? つまりただ子供の裸の写真ってだけじゃ、児童ポルノとはみなされないんです。当たり前ですよね。さっきも言ったように、親が子供の入浴を撮っただけでポルノとみなされたら、たまったもんじゃない。性欲を刺激するような淫らな写真でなくてはポルノではない、とこの条文は述べているんです。
 警察が『エヴァ』や『完全版アリス』を摘発しない理由はこれだと思います。もし児童ポルノ法違反で起訴したら、出版社は『これは芸術写真であって、ポルノではない』と反論するでしょう。『芸術か猥褻か』という、チャタレー事件か四畳半襖の下張事件みたいな裁判沙汰になって、世間の耳目を集めますよ。まして、あからさまなポルノと違って、ただ女の子を撮ってるだけですからねえ。検察側が敗訴する可能性は高いでしょうね」

児童ポルノ法の適用は慎重に

――でもやっぱり、こういう写真で性欲を刺激される男もいる以上、放置するのは問題なのでは?

「そこが難しい点でね。よく考えてください。ロリコンではないノーマルな男性は、子供の裸の写真なんかみても何も感じませんよ。一方、ロリコンだったら、ヌードでなくたって、水着程度でも興奮するかもしれない。だったら、プールや海水浴場の写真で、18歳未満の水着の女の子が写っていたら、みんなアウトになっちゃうのか?……ってことなんですよ」

――さすがにそれは行き過ぎだと思います。

「この法律でおかしいのは、やはり『性欲を興奮させ又は刺激するもの』というくだりですね。いったい誰の性欲が刺激されるのか、明言されていないんです。多数決を取るのは意味がありません。平均的な日本人男性の大半は、単なる子供の裸の写真では刺激されませんから。じゃあいったい、人口の何パーセントぐらいが刺激されたら、ポルノとみなされるんでしょうか? それに、『興奮』『刺激』の定義は何ですか?」

――それはほら、やっぱり勃起することでは……?

「じゃあ、ポルノかどうか判定するのに、ロリコンを集めてきて、写真を見せて、勃起するかどうか調べるんですかね? 『10人中5人が勃起したらポルノとみなす』とか?」

――うーん、警察がそんなことをやってるとは思えませんね(笑)。

「でしょう? 児童ポルノを摘発する警察や検察のみなさんは、大半はノーマルでしょう。じゃあ、『俺はこんな写真で性欲を刺激されたりしないが、刺激される奴もいるはずだ』という根拠で逮捕するんでしょうか? そんな思いこみで有罪無罪を決めるんですか?」

――じゃあ、児童ポルノ法には反対だと?

「いえ、児童ポルノの定義の三に疑問を呈しているだけです。一に関しては、明白なポルノであり、児童虐待とみなしてよいと思います。二に関しても、『偶然に指が性器に触れていた』というような、明らかにセックスと関係ない場面を除いて、やはりポルノとみなしてよいでしょう。こういうものはどんどん取り締まっていただきたい。
 でも、三の適用、特に『性欲を興奮させ又は刺激するもの』という部分に関しては、条文があいまいで、問題がありすぎます」

――そう言えば、法改正の動きがあるそうですが?

「6月11日、民主党が提出した改正案によれば、児童ポルノの定義に関して、三が削除され、二が次のように書き換えられています」

二 殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態

「ごらんのように、『性欲を興奮させ又は刺激するもの』というあいまいな部分がなくなり、定義がかなり具体的になりました。また、三が削除され、性器の露出に焦点を絞ったことで、『裸の写真はみんなアウト』ということもなくなりました。まだ『殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている』という部分に、条文を拡大解釈される懸念は残りますけど、少なくとも、この案が通れば、単にヌードだという理由だけでポルノ扱いされる危険は減りそうです。
 たとえば、全裸の少女がこっちを向いて立っている写真で、たまたま乳首や割れ目が写っていても、それが強調されていないのなら、ポルノではないということになります」

――ということは、『ソフィ』の表紙写真も見せていいってことになるんですかね?

「たぶん問題ないと思います。それどころか、復刻しても問題ないでしょう。はっきり言って、『エヴァ』の方が微妙にエッチ臭いですから(笑)。『エヴァ』がセーフなら、『ソフィ』もセーフでしょ。まゆちゃんだって復刻できますよ。その意味では、この第二条3項の改正案は、ロリコンにとって朗報かもしれません。
 ちなみに『ソフィ』は復刊オンラインでリクエストに入ってまして、今のところ57票が集まっています。100票に達したら復刊交渉が開始されます。

復刊オンライン・妖精ソフィ

復刊オンライン・少女S

 ただ、それを決定する権利は、やっぱり著者の石川洋司さんにあると思うんですよ。もし石川さんが『ソフィ』を封印したいと思うなら、その意志は尊重すべきだと思います」

児童ポルノを規制する理由

「さて、ここまで長々と基本的なことを説明してきたのには理由があります。規制賛成派にせよ、反対派にせよ、そもそも『児童ポルノ』って何なのか、なぜそれが禁止されなければならないのか、分かってない人が多いんですね。
 さらに厄介なことに『子どもポルノ』とか『準児童ポルノ』とかいう言葉を作って、定義を混乱させている人たちがいる。これは本来の児童ポルノとははっきり区別して考えるべきです」

児童ポルノとは――
 現実の児童を使って撮影された写真やビデオであり、なおかつ性欲を刺激する目的で製作されたもの。

ポルノ映像かどうかを、第三者がどのように識別するか――
 性行為や性交類似行為を撮影したり、性器を強調したりしているものは、性欲を刺激する目的ありと判断し、ポルノとみなす。

児童ポルノを規制する理由は――
 現実の児童を虐待から防ぐため。

「児童ポルノについて論議するなら、この3点を絶対に忘れないでいただきたい。
 たとえ裸であっても、性欲を刺激する目的ではない写真はポルノではないんです。
 また、規制の目的はあくまで現実の児童を保護することなんです。『裸の写真なんてけしからん』とか『ロリコンは気持ち悪いから』といった理由であってはならないんです」

その2につづく

2. 現行法の改正は必要なの?

(架空インタビュー)

――で、山本さんは児童ポルノ法に賛成なんですね?

「はい。それが実在する児童を保護するという目的のためであれば、絶対必要であると思います。
 ただし、単純所持――頒布や販売を目的としない所持まで禁止しようという動きには反対です」

――なぜですか?

「最も大きな理由は、そんな改正には意味がない、ということです。現行法のままでも、正しく運用すれば十分に対処できます」

警察はなぜ摘発しないのか?

「まあ、このニュースを読んでください」

■児童ポルノサイト、削除は300件…警察庁は1600件確認
(読売新聞 - 04月18日 14:38)
 警察庁の委託でサイバー空間の有害情報の通報を受けている「インターネット・ホットラインセンター」(東京都港区)が昨年1年間、ネット上で確認した児童ポルノ1600件のうち、削除要請に応じたのは300件にとどまることがわかった。

 日本では児童ポルノをパソコンに取り込んだだけでは処罰されないため、過激な画像がネット上に出回る原因になっている。このため法規制とともに、対象サイトへの接続が出来なくなる措置を導入すべきだとの声も上がっている。

 同センターによると、昨年、児童ポルノ絡みで通報を受けて発見した不法サイトは約1600件。うち3分の1にあたる約540件は海外のサーバーが使われていたため、サイトの開設者らに直接、削除を要請できなかった。 

――へえ、こんなにも違法サイトが氾濫してるんですね。これはやっぱり法律による規制が必要ですね。

「いやいや、こんないいかげんな記事を鵜呑みにしてしてもらっては困ります」

――この記事がどこかおかしいんですか?

「児童ポルノ法の条文を知っている人間なら、すぐにおかしいと分かります」

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
(児童ポルノ頒布等)
第七条  児童ポルノを頒布し、販売し、業として貸与し、又は公然と陳列した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
2  前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。

「この『公然と陳列した者は』という部分に注目してください。児童ポルノ画像を誰でも見られるような状態でサイト上に置くのは、現行法の解釈でも違法なんです。
 疑問に思って、この記事の元になったインターネット・ホットラインセンターの2007年の統計を見てみました。センターへの通報のうち、本当に違法と判断される情報は14%にすぎないそうです。86%に関しては、べつに違法じゃないものを、そそっかしい人が『違法だ』と通報してきたってことでしょうね」

――児童ポルノに関する通報も?

「おそらく。たとえば『まんが子どもポルノ』、つまり未成年者が性行為を行なっているポルノマンガについての通報が、277件あったそうです。これは今の日本の法律では違法ではないので、センターの運用ガイドライン対象外として判断されています。
 それらの通報の中から、センターが違法と判断した児童ポルノ画像の内訳ですが」

国内 海外 合計
1,072 537 1,609

「これらがどう処理されたかというと」

処理前に削除 通報先
警察 プロバイダ等 削除完了
133 939 526 339

――133件が処理前に削除されていますね。さらに警察やプロバイダへの通報で削除されたのが339件。ということは、1072-133-339だから……えーと、約600件が削除されていないことになりますね。

「そこがおかしいんです。そもそも警察は削除要請なんか出す必要はないんです。法改正も必要ない。それが本当に違法な児童ポルノなら、すぐさまそいつを逮捕できるはずなんです。
 しかし、このデータを読む限り、日本国内にある何百というサイトは、いまだにその画像を載せ続けていることになります」

――警察庁はそれを摘発しないんですか?

「していますよ。でも、一部でしかありません。このニュースを見てください。

ネット犯罪、児童買春・ポルノ摘発は減少、出会い系は大幅増--警察庁まとめ
Emi KAMINO

2008/02/28 16:46 

 警察庁はこのほど、2007年の少年非行・犯罪状況をまとめた調査結果を公表。出会い系サイトやインターネットにより、未成年が巻き込まれる事件の実態が明らかになった。

 まとめによると、2007年の「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反事件は1914件。児童買春で摘発された1347件のうち、679件が出会い系サイトをきっかけとしたもので、前年の775件から減少した。また、児童ポルノで摘発された事件567件のうち、インターネットが関係した件数は192件で、前年251件から減少している。
(後略)

「お分かりですか? 2007年、インターネット・ホットラインセンターから警察へ939件の通報があったはずなんです。それなのに、警察が摘発したのはたった192件……約1/5にすぎません。それも『インターネットが関係した』というあいまいな表現なので、192件のすべてがホットラインセンターからの通報によるものだったかどうかもよく分かりません」

――犯人が割り出せないからでは? プロバイダがユーザーの氏名を明かすのを拒否してるとか。

「そんなことはありません。プロバイダは警察から犯罪捜査の要請を受ければ、ユーザーの情報を教えなくてはなりません。これまでも、ネット上で脅迫や犯行予告を書きこんだ奴が何人も逮捕されてるでしょ? あれもプロバイダが警察に協力してるからですよ。その気になれば、違法サイトの製作者を警察が突き止められないわけがないんです」

――んん-? 言われてみれば変ですね。何で警察は違反者を逮捕しないんですか?

「考えられるのは、警察はこれらのサイトの違法性を認識しているにもかかわらず、逮捕せずに見逃している……という可能性です」

――ええ!? そんなことありうるんですか?

「だって年間1000件ですよ。いちいち探し出して全員逮捕するのは大変じゃないですか。警察官も人の子です。『面倒臭えなあ。ちょっと注意してやるだけで勘弁してやるか』と思うんじゃないですか。
 実際、売春防止法にしたってザルですからね。明らかに客と性行為をやっている店が摘発されないって例が多いですし」

――言われてみれば……じゃあ、児童ポルノが根絶できないのは法の不備じゃなく、警察の怠慢ってことですか?

「これらのサイトが本当に違法なら、そういうことになりますね」

所持しているだけでも悪いのか?

「さらに『日本では児童ポルノをパソコンに取り込んだだけでは処罰されないため、過激な画像がネット上に出回る原因になっている』というのも論旨が変です。単にパソコンに取りこんだだけでは、ネット上に出回る原因になりません」

――Winnyとかをやってる奴が、ポルノ画像を交換可能な状態にして置いておくということもあるのでは?

「それこそ児童ポルノを頒布の目的で所持していたわけだから、現行法でも摘発できます」

――でも、自分で公開する気がなくても、ウイルスに感染してファイルが流出するという可能性もあるのでは?

「その場合、確かに盗まれることへの警戒を怠った管理責任は問われるかもしれませんね。でも、悪いのは流出させてしまったことであって、ファイルを持っていたこと自体ではないでしょう?
 こういう例を考えてみてください。ある人が倉庫の中に金属バットをしまっておいたら、誰かが倉庫の鍵を壊して持ち出し、それが殺人に使われたとしましょう。その場合、『金属バットを倉庫に入れていたことが悪い』『金属バットの所持を禁止しろ』などという話になりますか?」

――いや、バットとは話が違うと思いますが……。

「どうしてですか? 金属バットによる殺人や傷害事件なんていっぱい起きてますよ。立派な凶器じゃないですか。人に害を与えるものですよ」

――バットは本来、人殺しの道具じゃありませんよ。

「児童ポルノだってそうです。ただそれを見るだけなら害なんかあるはずがないんです。
 でも、中には裏モノ――児童を虐待して製作するものがある。それは悪いことだから、断固として取り締まらなくちゃいけない。そのための児童ポルノ法じゃないですか。
 ところがその本来の目的が見失われている。児童虐待を防止するという目的から離れて、子供の裸の写真を持つこと自体が悪いという誤解が発生している。法改正を主張している人たちは、そうした本来の目的を忘れてしまっている人たちです」

冤罪に使われる可能性

――じゃあ、法改正は必要ないと?

「だって、警察が怠慢なままなら、法を改正したって摘発数が増えるわけないじゃないですか。本気で児童ポルノを取り締まりたいなら、違法サイトを運営している連中や、Winnyで違法なファイルを流通させている連中を、まず摘発すべきなんです。削除要求なんかで済ますんじゃなく。そのうえでなおかつ児童ポルノが減らないというのであれば、法改正を言い出してかまいません。
 それをやらないでおいて、『摘発できないから法律を改正しろ』というのは、ぜんぜん筋が通らないんじゃないですか?」

――うーん……。

「それどころか、単純所持まで違法ってことになったら、それこそ逮捕しなきゃいけない人数が爆発的にはね上がりますよ。600件の違法サイトすらどうにかできない警察が、日本全国の何万という所持者をすべて逮捕できるんですか? そんな法律を作ったって、とうていまともに機能するとは思えませんね。
 それどころか、もし単純所持が違法ということになったら、やっかいな問題が起きる可能性があります」

――と言うと?

「別件逮捕や冤罪の手段として、児童ポルノ法が使われる危険があるということです。
 たとえば、警察が誰かを逮捕したいけど証拠がないという場合に、『児童ポルノ法違反』という容疑をかけて、家宅捜索を行なえる。『違法な写真を所持しているという通報があった』とか言ってね」

――捜索して見つからなかったらどうするんですか?

「子供の裸の写真が一枚も無いという家の方が少ないんじゃないですか? アルバムや古い本の中に一枚はあるでしょ。どうしても見つからなければ、捜査員がこっそり本を被疑者の家に持ちこんで、発見したふりをして『こんなもの見つけましたー』って発表すればいい。
 警察にしてみれば、こういう法律を作っておけば、将来、何かと便利でしょう。それで『現行法では摘発できない』『法を改正しないと児童ポルノは減らない』という偽りの宣伝をしている……と勘ぐることもできるわけです。
 警察だけじゃありません。一般人が簡単に他人を陥れることだって可能になる。職場で嫌な奴がいたら、そいつのデスクの引き出しにでも児童ポルノ写真を忍びこませたうえで、警察に密告すればいいんです。麻薬や銃は、普通の人が手に入れるのは困難ですが、児童ポルノだったらそれこそネットで無料で手に入れられますからね。
 一度嫌疑をかけられたら、それを晴らすのは難しい。『そんなもの持っていた覚えがない。冤罪だ』と訴えても、無実を証明できる手段がありません」 

【参考】児童ポルノ配布容疑者をめぐる奇妙な疑惑
【参考】児童ポルノ画像がダウンロードできない偽リンクをクリックしただけで逮捕、有罪に

――でも、児童ポルノを根絶するには、そうした厳しい法律も必要なんじゃあ……?

「それはリスクとベネフィットの問題ですね。法改正によって本当に児童ポルノは減るのか? 僕はおおいに疑問だと思います。ネット上で児童ポルノ画像を公開している人間を取り締まろうとしない警察が、所持しているだけの人間を取り締まれるわけがない。依然として児童ポルノははびこり続けますよ。
 一方、そうした法律を作ってしまった場合の、悪用されるリスクを考えなくてはいけません。効果がはっきりしないのに、リスクだけを増やすようなことは避けるべきです」

その3につづく


3.子供の裸の写真は性犯罪を誘発するの?

(架空インタビュー)

子供の犠牲者は増えているのか?

――でも、児童ポルノには別の危険もあります。子供の裸を見た人間が欲情して、性犯罪に走るかもしれない。だから所持自体を禁止すべきです。

「そんな主張に根拠はありません」

――え? だって……。

「論より証拠。このグラフを見てください。少年犯罪データベースというサイトから引用したものです」

「強姦された幼女の数を示したグラフなんですが、さて、このグラフからどんな傾向が読み取れますか?」

――60年代末に急降下してますね。その後、70年代、80年代を通じて減少を続けてます。

「前に説明した歴史を思い出してください。日本に少女ヌード写真集が出現したのが60年代末。70年代からブームになり、80年代を通じて多くの写真集が一般書店で売られていました。誰でもそれを手に入れられる時代だったんです」

――90年代から横ばいになっていますね。

「89年に宮崎事件。この頃からロリコンに対する風当たりが強くなって、少女ヌードも自粛しはじめています」

――それじゃあ……?

「いやいや、まだ結論に飛びつくのは早い。小学生だけじゃなく、強姦被害者数全体のグラフも見ていただきましょうか」

「さて、90年代以降はどうなっていますか?」

――97年頃から、被害者がまた増えてますね。ピークは2003年頃です。

「99年に児童ポルノ法が施行されて、店頭から少女ヌード写真集が姿を消しました」

――ええっ!? じゃあ、少女ヌード写真集の出版と少女の強姦の件数は反比例してる!?

犯罪が増えた原因は?

「んー、そういう都合のいい結論を導ければいいんですが(笑)、そう断定することもできないんですよね。このグラフは正確な犠牲者数を反映してはいません。被害に遭っても届け出ずに泣き寝入りしている被害者も多いでしょうから。
 また、このグラフからは、成年の被害者もいっしょに増減していることが分かります。96年以降、強姦事件全体が増加し、結果的に未成年の被害者も増えたんです。つまり未成年者をターゲットにしたロリコンによる犯罪が増えたわけではなさそうですね。げんにこの時期、小学生の被害者数は横ばいですし」

――援助交際とかが増えたせいで、中学生や高校生の女の子が男にレイプされる機会が増えた……とは考えられませんか?

「そうとも言えません。強姦事件だけを見ると本質を見誤ります。実はこの時期、他の犯罪もはね上がってるんですよね」

(「犯罪と社会」というサイトの「わが国の犯罪動向」というページから引用させていただきました)

――ほんとだ。平成9年(1997年)あたりから急カーブを描いて上昇して、平成14年(2002年)ぐらいにピークになってますね。

「刑法犯の大半は窃盗で占められています。詳しくは同じサイトの「各種犯罪の動向」を見ていただけば分かりますが、90年代後半から、非侵入盗、特に車上狙いと自販機荒らしが増えているんです。
 窃盗以外の刑法犯を見ると、器物損壊がものすごく増えているのが分かります。あと、占有離脱物横領というのは、落ちていたものを拾って自分のものにすること。その多くは、放置自転車を拾って乗り回したというものです」

――放置自転車が増えたってことですか?

「それもあるんだけど、警察が占有離脱物横領の摘発に力を入れるようになったせいだとも言われています。警官が自転車に乗っている人を職務質問して、『それ、どこで買ったの?』などと問い詰めることが多くなったんですね。正直に『拾いました』と答えたら捕まっちゃう」

――でも、放置自転車の中には、捨てられているものも多いんじゃないですか? 他人のを盗むならともかく、捨てられたものを拾うのも罪?

「らしいです。金を拾ってネコババするならともかく、捨てられていたものをリサイクルするんだから地球に優しいじゃん、と思うんですが(笑)。警察は単純に成績だけを上げようとするもんで、そういうたいしたことのない犯罪、捕まえやすい犯罪ばかりを狙う傾向があるんです」

――せこいですね。

「警察は点数稼ぎのためにそういうせこいことをよくやります。有名なのは秋葉原のオタク狩り。秋葉原を歩いているオタクっぽい男を適当に捕まえて職務質問して、カッターナイフや十徳ナイフを持っていたら逮捕するというものです。しかも秋葉原を管轄する万世橋署ではなく、管轄外の文京区の本富士署から出向いてくるらしい」

【参考】秋葉原で警察に捕まりました
【参考】秋葉銃刀法のウソ
【参考】秋葉原での警察のオタク狩り職務質問の現状
【参考】管轄外からパトカーが来るほどアキバは検挙件数アップには良い狩り場?

――うわー、そこまでして点数稼ぐか? って感じですね。

「例の通り魔事件以後、また職務質問が増えたらしいですけどね」

――秋葉原に近づかなければいいのでは? あるいは怪しまれないように、オタクっぽいファッションは避けるとか。

「いやいや、オタクでない人が渋谷あたりを歩いていても安心はできませんよ。元国家公安委員長の白川勝彦氏のこんな体験談がありますし」

【参考】忍び寄る警察国家の影

――こんなことに割く人員があるんだったら、まだ解決していない事件の捜査に回せよ、という気がしますね。

「先の記事にあるように、秋葉原での銃刀法違反容疑での事件送致の件数は、2002年にはたった3件だったのが、2005年には84件になっています。でも、べつに刃物を持ち歩くオタクが増えたわけじゃないでしょう。警察が職務質問をすることが多くなったから、逮捕者も増えたんです。こんな風に、警察の活動の変化によって、犯罪の認知件数は大幅に変わるんです。
 それと、こちらも見ていただきましょう。横須賀市企画調整部市民安全課のまとめた「犯罪件数の分析」というデータなんですが、暴行・傷害・脅迫・恐喝などの粗暴犯が、2000年にいきなり急増しているのが分かります。1999年と比べると、暴行は1・7倍、傷害は1・5倍、脅迫は2・1倍、恐喝は1・3倍……」

――ほんとだ! なぜでしょう?

「理由のひとつは、1999年に起きた桶川ストーカー殺人事件と栃木リンチ殺人事件だと言われています。どちらの事件も、被害者やその家族の訴えを、警察がまともに取り上げなかったことが悲劇を生みました。その反省から、警察庁はこれまで無視されていたような市民からの訴えも取り上げるよう、全国の交番や警察署に徹底させたんです。その結果、1999年から2002年にかけて、相談件数が3倍に激増しました。それが事件の認知件数を押し上げたんです」

――じゃあ強姦の被害者が激増したのも?

「それまで泣き寝入りしていた被害者が多かったのが、訴え出る例が増えたためではないかと思われます」

がんばれ警察! さぼるな警察!

――なるほど、言われてみれば、器物損壊とか暴行とか傷害とか脅迫とかも、警察に届けずにあきらめてしまう人が多そうな犯罪ですね。

「それと、注目していただきたいのは、殺人の件数ですね。1955年の3066件をピークに、一貫して減り続けているんです。1998年ごろから他の犯罪は急増しているのに、殺人だけはあまり増えていません。それどころか、平成19年には戦後最低の1199件にまで減っているんです」

――ほんとだ!

「念のため、この時期の犯罪率の増加を比較してみましょう」

1996年 2003年 増加率 2007年 増加率
殺人 1,218件 1,452件 119% 1,199件 83%
強盗 2,463件 7,664件 311% 4,567件 60%
放火 1,846件 2,070件 112% 1,519件 73%
強姦 1,483件 2,472件 167% 1,766件 71%
暴行 6,469件 21,937件 339% 31,966件 146%
傷害 17,876件 36,568件 205% 30,986件 85%
脅迫 904件 2,625件 290% 2,553件 97%
恐喝 12,226件 17,595件 144% 7,384件 42%
窃盗 1,588,698件 2,235,844件 141% 1,429,956件 64%

――殺人と放火はあまり増えていませんね。あと、暴行事件以外はすべて、2001~2004年ごろをピークに、減少に向かっているようです。

「被害者の届出によって明るみに出る強姦や暴行や脅迫と違って、殺人と放火は認知件数と実際の発生件数はほぼ等しいと考えられます。逆に言えば、殺人と放火以外の犯罪は、警察の対応の変化によって、認知件数が大きく上下するわけです」

――ははあ、それまで被害者が泣き寝入りしたり、警察に無視されたりして、闇に葬られていたような事件も統計に加わるようになったんで、2000年以降、見かけ上、犯罪が増えたように見えると……あれ? でも、強盗は1995年から、強姦は1997年から増加しはじめてますよ? それに殺人もこの時期に増えていたのは事実だし。

「そうですね。警察が方針を転換した2000年以降の増加は見かけ上のものでしょうが、それ以前から実際に事件全体が増加していたのかもしれません」

――なぜ?

「分かりません。仮説を提唱するだけなら、いくらでもできます。窃盗や強盗が増えたのは、不景気が続いて経済的に困窮した者が増えたせいかもしれません。あるいは『ノストラダムスの予言の影響だ』という説だって唱えられる。1999年に世界が滅亡すると信じた人間が多くいて、1999年が近づくにつれて自暴自棄な行動に走った……とかね。実証はできませんけど。要するに、犯罪発生率が上下するのには、いろんな要因が考えられるってことです」

――昭和50年ごろから刑法犯の認知件数が増加し続けているのも?

「日本の人口は、昭和50年には1億1194万人だったのが、平成12年には1億2693万人。1・13倍になっています。犯罪もそれに比例して増えるのは当然です。それに、すでに述べたように、警察の犯罪に対する取り組みの変化によっても、認知件数は何十%も上下します。認知件数のグラフだけからでは実際に増えているかどうかは分かりません。
 余談ですが、昭和25年ごろから昭和の終わりまで、刑法犯の検挙率はずっと60%前後あったんですよ。それが平成に入ってほんの数年で激減しました。平成2年からは40%前後になってます。これも「犯罪と社会」から引用させていただいたグラフですが……」

――ほんとだ! 平成13年には20%を割りこんでますね。犯罪者の5人のうち4人は捕まってないってことですか?

「このあたりの検挙率の低下は、認知件数の増加によるものですね。実際には見ての通り、検挙人員そのものは上がってるんですが、認知件数が増えたもので、解決率は下がっているわけです。
 ただし、それ以前、平成元年ごろの検挙率低下は、それでは説明がつきません。実際に検挙数が激減していることは明白です」

――どういうことなんですか?

「警察がサボってたんでしょ(笑)。いや、笑い事じゃないんだけど、そうとしか解釈のしようがありません。窃盗犯を捕まえても余罪を追及しなくなったと言われてます。だから窃盗事件が未解決で終わることが多くなった。あと、坂本弁護士一家失踪事件みたいに、犯罪が行なわれたのは明白なのに警察がまともに捜査しなかった例も、中にはあるんじゃないかと思います。それで迷宮入り事件が増えた……」

――いやな話ですね。

「まったくです。逆に言うと、平成10年以降の検挙数の急増は、警察がサボるのをやめてがんばるようになったためとも考えられます。2003年以降、暴行事件以外が着実に減少に向かっているのも、その成果なのかもしれません」

――意外でした。「凶悪犯罪が増えている」「安全神話が崩壊した」という話を信じてました。

「『安全神話の崩壊』なんて話こそ、まさに神話ですね」

日本は安全な国だった!

「本論に戻りましょう。長々と説明してきたのは、冒頭に挙げた少女の強姦被害のグラフだけ見て、何が原因なのかを推測するのは無意味だということを訴えたかったからです。なぜなら、強姦だけでなく、他の刑法犯の件数も同時に上下しているからです」

――近年、外国人犯罪が増えているというのも?

「同じです。来日外国人の刑法犯検挙人員は、2004年の8898人を最大値に、減少に向かっています。つまり日本人の刑法犯の増減とほぼシンクロしてるんです。それどころか、全刑法犯に占める外国人の割合は、むしろ低下しています。外国人犯罪の統計だけを示して『外国人犯罪が増えている!』『治安の悪化は外国人のせいだ!』と騒ぐのは、卑劣なトリックですね」

――なるほど。

「確かに言えるのは、これらの統計からは、少女のヌード画像が性犯罪を誘発するなどという結論は決して導けない、ということです。もしそうなら、70~80年代の性犯罪は激増してなきゃおかしい。また、99年に児童ポルノ法が制定されたことによって、子供を狙った性犯罪が減らなきゃおかしい。
 法改正が本当に性犯罪を減らすのなら僕も賛成しますけど、明らかにそうじゃないでしょう? 統計を見る限り、ヌードの規制が性犯罪を減らすなんて根拠はまったくない。なぜそんな法改正に賛成しなくてはならないんでしょう?」

――てっきりああいう写真が増えたせいで性犯罪も増えたと思ってました。

「根拠のない思いこみですね。ちなみにこの少年犯罪データベースというサイトは、他にもいろんな思いこみを正してくれる良いサイトですね。このサイトの作者が出した『戦前の少年犯罪』という本も必読です。たとえば『最近の子供はキレやすい』なんてのは大ウソであることが分かります。実は戦前もひどい事件が多かったし、戦後の統計を見ても、1950~70年代の少年犯罪は現在の何倍も多かったことが一目瞭然です」

――最近の子供はむしろおとなしくなってるんですね。

「ついでだから、世界の性犯罪の統計も見てみましょうか。未成年のレイプだけの独立したデータはないので、成人も含めたデータですが、たとえば人口1,000人当たりのレイプの件数は……」

――うわっ、日本は少ない! 65ヶ国中54位ですか?

「世界の中では、日本はかなり安全な国と言えそうです。ちなみにワースト5位のカナダ、9位のアメリカ、13位のイギリスなどは、日本よりきびしく児童ポルノを取り締まっている国です。
 あと、日本より低い国の中に、イエメン、アゼルバイジャン、サウジアラビアなどがありますが、このへんの数字はまともに受け取るべきではありませんね。イスラム圏ではまだ女性の地位が低い国が多く、レイプされても泣き寝入りする女性が多いと考えられます。
 このリストには出てきませんが、たとえばパキスタンの法律では、女性が強姦罪を立件するには、4名の男性イスラム教徒の証言者が必要だそうです。もしできなければ、女性の側が姦通罪に問われ、下手すれば死刑です」

――そ、それは……あまりにも女性に不利ですね。被害に遭っても、訴えようと思う女性なんて、ほとんどいないでしょう。

「でしょう? さすがに近年は改正しようという動きが起きているようですけど、依然としてイスラム圏では女性蔑視の風潮が強いのは事実です。だからレイプの件数は、報告されているより多いと思います」

――もしかしたら日本は、世界でいちばん女性にとって安全な国かもしれない?

「そういう可能性はありそうですね。強姦だけじゃありません。国連の2000年の統計でも、殺人や強盗などの凶悪犯罪の発生率に関して、日本は世界の先進国の中でも極端に低いことが示されています」

――人口10万人あたりの殺人が、ロシアが19.80件、アメリカが4.55件、韓国が2.02件、フランスが1.78件、イギリスが1.61件なのに対して、日本は0.50件……いや確かに、驚くほど低いですね。

「これは日本人として誇っていいと思いますよ」

ロリコンによる犯罪は多いのか?

――でも、いくら安全といっても、中には性犯罪に走るロリコンもいるわけでしょう? げんに上のグラフによれば、毎年、50人ぐらいの小学生が強姦されてますし。

「当たり前です。どんな集団でも、犯罪に走る奴は必ずコンマ何パーセントかは存在します。そんなことを言ったら、成人女性にしか興味のないノーマルな男性の中にも、性犯罪に走る奴が大勢いるじゃありませんか。だからと言って、ノーマルな欲望を持つこと自体が悪いということになりますか?」

――そりゃ、なりませんけど……。

「悪いのは、欲望を自制できなくて犯罪に走ることです。欲望を抱くこと自体は何も悪くありません」

――そもそもロリコンが性犯罪に走る率ってどれぐらいなんでしょう?

「ロリコンの数自体が不明ですから、正確な比率は何とも言えませんね。某アナウンサーによればコミケ会場には10万人の宮崎勤がいるそうですが(笑)。でも、コミケの入場者数が10万人だったのは80年代の話ですし。今じゃ3日間で50万人以上来ますからねえ。もちろんその全員がロリコンなんてことはないけど、一方でコミケに来ないロリコンも大勢いるわけですから、実際は10万人よりかなり多いはずですよ」

――その中から、毎年50人ぐらい、小学生の女の子をレイプする奴が出てくる?

「いや、強姦事件の犯人がすべてロリコンだったかというと、それも疑問ですね。女なら誰でもよかったんだけど、たまたま小学生の女の子がそこにいたから襲った……という例も多いと思います。あと、1人で何人も襲っている例もありますから、犯罪者数は犠牲者数よりかなり少ないはずですよ」

――じゃあ、ロリコンの中の何%ぐらいが犯罪に走るかは……。

「正確な数字は言えません。でも、とりあえず数字から推測して、ロリコンの99%以上は少女をレイプしたりなんかしないと断言していいかと思います。
 実際、僕の知り合いにもロリコンの男性は何人もいますが、みんな性犯罪など犯していません。ほとんどのロリコンは法を守って生きているんですよ。ロリコン=性犯罪者予備軍と考えるのは間違いですね」

その4につづく(工事中)

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